Research Conference 2024

デザインリサーチに関する実践知を共有し、可能性を議論するカンファレンスResearch Conference 2024において、「『これも写真?』 - 写真の周縁を探求するf∞ studioの発見的創造の実践」と題して、現代における「写真」の定義の曖昧さとその可能性を探る取り組みであるf∞ studioの活動を紹介しました。

ポスターセッションでは、カメラ・オブスキュラから始まる写真の歴史において、従来型のカメラによる写真が中心であった時代は比較的短く、現代では SNS画像、ゲーム画面のスクリーンショット、生成AIによる画像など、様々な形態の「写真(テクノ画像)」が存在していることをはじめとして、曖昧化する写真の境界を探索する活動を説明し、来場者がポスター上の様々な「写真」に対して、「これは写真?」であるかどうかををシールで意思表明することができ、その判断の根拠について活発な議論が交わされました。例えば、日焼けした腕の画像について、ある来場者は「記憶を呼び起こす機能がある」という観点から「写真である」と判断するなど、「写真」の定義や役割について多様な視点が共有されました。

発表者からは「意味や効率を超えた探求の価値」について言及があり、時に「無意味ではないか」と思えるような探求であっても、そこから新しい発見が生まれる可能性を指摘。この姿勢は、超芸術トマソンや路上観察学会などの先行する文化活動とも通じる、定義の外側にある未知なものを探求し続ける実践として位置づけられています。

f∞ studioは今後も「これも写真?」を写真を探求するレンズとして機能させ、より多くの人々が気軽に参加できる「メディア」として展開していく構想を示しました。この取り組みは、技術の進歩や人と写真との関係性の変化により多様化する「写真」の新しい可能性を、実践的に探求する重要な試みとして注目されています。

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「これも写真?」− 現代における写真の可能性を探求するワークショップ − KG+ Public Program

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「これも写真?」ワークショップ in FabCafe Kyoto